| 要旨トップ | ESJ59 企画集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


企画集会 T18 -- 3月20日 15:00-17:00 J会場

里山における在来知と生物多様性管理

企画者: 日鷹一雅(愛媛大・農), 大澤啓志(日本大学・生物資源科学)

在来知(indigneous or local knowlage)は、地域固有の生物多様性を暮らしの中で利活用する個人あるいは集落のスキルであるが、私たち生態学者の研究対象として、従来あまり扱われてこなかった。どちらかと言えば、民俗学や文化人類学がよく研究対象とする題材である。Agroecologyの分野では 原典のひとつであるCox and Atkins(1979)や世界的な教科書(Gliessman 1986)などにおいて、暮らし重視の農業形態(subsistence agricuture)に関する科学的アプローチの重要性が説かれている。アジアでは、北京においてBiodiversity in Agricultureという国際ワークショップ(1995)が開催され、生物多様性の食に関する在来知の生物多様性が論じられた経緯もある(AEE誌)。以上のような在来知に関わる諸議論は、昨秋COP10でも繰り広げられた在来知に基づいた資源利用に対する正当な評価、利益分配に関する白熱した議論とは無関係ではないであろう。そこで、本集会では、身近な里山に内包されてきた在来知に実際接して、農山漁村で生物多様性を研究してきたフィールドワカーに講演をお願いした。国内外各地のSatoyamaの暮らしの中に潜んだヒトと多様な生物たちの間に築かれてきた関係性について、最新の話題について提供していただく。それぞれの地域における里山生態系や生物多様性の保全・再生・持続的利用に向けてのマネジメントのあり方の斬新な一考としたい。

[T18-1] 序:なぜ今、里山の在来知?暮らしの中に潜む「内なる生物多様性」 日鷹一雅(愛媛大・農)

[T18-2] 農山村の庭先から広がる生物多様性との付き合い 大澤啓志(日本大学・生物資源科学)

[T18-3] ラオスにおける水田農耕生態系の生物多様性とその利用 小坂康之 (総合地球環境学研究所)

[T18-4] 静岡県民の内なる生物多様性の評価 稲垣栄洋(静岡県農林研究所)


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