| 要旨トップ | ESJ62 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第62回全国大会 (2015年3月、鹿児島) 講演要旨 ESJ62 Abstract |
企画集会 T17 -- 3月22日 9:30-11:30 G会場
大陸島から海洋島まで多くの島を含み、多様な生態系を有する南西諸島には、さまざまな固有の生物が存在している。その多くは絶滅が危惧されており、南西諸島は世界的に見ても生物多様性保全上の重要地域となっている。現在、「奄美・琉球世界自然遺産」の登録に向けた取り組みが進められており、この地域の生物研究は、今後ますます重要になると考えられる。
鳥類は、餌生物や捕食者など、群集を構成する多くの生物と密接な関わりを持つため、その存在は生態系の健全さを示す優れた指標となっている。また島嶼に生息する鳥類は、地史を反映する生物地理学的な指標であるとともに、人為的撹乱の影響を映し出す、保全上の指標にもなり得る。南西諸島における鳥類研究は、従って鳥類という分類群限定の興味にとどまらず、この地域の生態学や生物地理学の理解を進め、生物多様性保全にも貢献する重要な学問分野であると言える。
本企画集会では、南西諸島の鳥類を題材にして、生態学、生物地理学、また生物多様性保全の観点から行われている研究成果を紹介し、この地域の魅力とその重要性を再確認したいと思う。コメンテーターとしてあえて鳥類とは異なる分類群の研究者を迎え、意見・異見をぶつけてもらうことで、分類群を越えた研究の魅力をあぶり出すことができればと考えている。
コメンテーター:宮本旬子氏(鹿児島大学)、川北篤氏(京都大学)
[T17-1] 南西諸島における陸鳥類の遺伝的分岐
[T17-2] 交雑帯から鳥類の生態的種分化を考える
[T17-3] 捕食者相の単純な海洋島におけるメジロの対捕食者戦略
[T17-4] 沖縄島やんばる地域の固有種ノグチゲラの生物指標としての有効性
[T17-5] 希少鳥類保全の生態学的アプローチ-奄美大島のオオトラツグミを例に-