| 要旨トップ | ESJ63 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
企画集会 T21 -- 3月24日 9:30-11:30 RoomG
深刻化する熱帯域での森林減少・劣化を抑止することによる温室効果ガス削減活動として2020年から開始予定のREDD+(森林減少・劣化由来の温室効果ガス削減活動)が注目を集めているが、その実施に当たっては、生物多様性や先住民の権利への配慮が必要とされ、これらがセーフガードの重要項目として盛り込まれている(COP16カンクン合意)。
世界の遺存的生態系となった熱帯林とその生物多様性を保全するには、拘束性の強い抜本的な保全対策を急ぐべきという主張がある一方で、生物資源をよりうまく利用することで、循環型農林業を促し、ひいては、それが森林減少や劣化の予防・抑止に繋がるという考え方もある。この立場からみれば、REDD+とセーフガードは森林資源の持続的利用と生物多様性保全の両立のための仕組み作りを進めるうえでまたとない機会ともいえる。
本シンポジウムでは熱帯アジアや南米の農山村社会を含む生態系で、住民便益と生物多様性のバランスに焦点を当てた研究や保全活動事例を紹介し、持続的自然資源利用と森林劣化・減少抑止活動がどの程度有効に機能するか、またそのためにはどのような「基準・指標」が必要かについて議論する。
1 趣旨説明 REDD+セーフガードと森林保全 奥田敏統
2 ラオス熱帯域における森林利用と地域住民の生活 天野正博
3 ペルーとカンボジアにおけるコミュニティー参加型の森林保全の取組 浦口あや
4 生物多様性の住民利用の可能性 山田俊弘
司会:山田俊弘(広島大学・総合科学研究科)
総合討論:奥田敏統(広島大学・総合科学研究科)
コメンテーター:中静透(東北大学・生命科学研究科)
[T21-1] 趣旨説明 REDD+セーフガードと森林保全
[T21-2] ラオス熱帯域における森林利用と地域住民の生活
[T21-3] ペルーとカンボジアにおけるコミュニティー参加型の森林保全の取組
[T21-4] 生物多様性の住民利用の可能性