| 要旨トップ | ESJ64 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


シンポジウム S08  3月15日 9:00-12:00 M会場

外来生物防除研究の最前線

五箇公一(国立環境研究所)

 日本における外来生物対策では、従来、個体の捕獲や刈り取り等、物理的防除手法が主流とされ、その際、コスト対効果の試算や防除スケジューリング等の綿密な計画が立てられないまま、最悪の場合は「精神論」でのみ、防除が進められるケースも少なくなかった。そのため、外来生物法で指定されている特定外来生物ですら、根絶成功事例は極めて少ない状況にある。
 国立環境研究所が中核となって進めている環境省環境研究総合推進費課題「特定外来生物の重点的防除対策のための手法開発」では、喫緊の対策が必要とされる特定外来生物をターゲットとして、確実に個体群密度を低下させること、あるいは低密度化した個体群にとどめをさすことができる防除技術を科学的に開発し、防除効率、防除コスト、防除期間、根絶確認など防除事業予算化に必要とされるパラメータの定量化を図るとともに、防除に係る生態リスクの評価も進めている。また、新たに開発された防除手法を実行する上で必要とされる合意形成のあり方についても検討を行っている。
 本集会では、これらの研究の最新成果を発表するとともに、今後の我が国における外来生物防除対策の指針について議論する。

[S08-1] 外来昆虫類の水際検疫 井手竜也(森林総合研究所)

[S08-2] 外来昆虫類の化学的防除 五箇公一(国立環境研究所)

[S08-3] 小笠原グリーンアノール防除への挑戦 戸田光彦(自然環境研究センター)

[S08-4] マングース根絶のための化学的防除の技術開発 山田文雄(森林総合研究所)

[S08-5] オオクチバスの総合的防除 中井克樹(琵琶湖博物館)

[S08-6] 今後の外来生物政策 曽宮和夫(環境省)


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