| 要旨トップ | ESJ64 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


シンポジウム S14  3月16日 9:00-12:00 G会場

生物多様性に関わる様々な政策課題を広く俯瞰する

大澤剛士(農環研),西田貴明(三菱UFJ), 天野達也(ケンブリッジ大学)

我が国において、少子高齢化・人口減少、経済活動の変化、自然災害、地球温暖化等、生物多様性の劣化や生態系サービスの持続的利用に影響を及ぼす要因は枚挙に暇がない。国際社会においても、自然環境の変化だけでなく、生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォーム(IPBES)のような生物多様性や生態系サービスの保全や持続可能な利用に向けた取組や体制整備も急速に進みつつある。こういった状況において、「生物多様性」という社会的な課題に興味を持つ生態学者らは、一体どの課題に、どのように、どこから関わっていけばよいのか困惑しているというのが正直なところではないだろうか。本シンポジウムは、イギリス生態学会のlegislative scanを参考に、生物多様性と生態系サービスに関わる重要な政策トピックを複数取り上げ、その概要とニーズを広く紹介し、生態学者が能動的に行動を起こすヒントを見つける機会にすることを目的とする。講演内容は、イギリス生態学会のlegislative scanについての紹介ならびに各トピックに精力的に取り組んでいる研究者、実務者から、それぞれの概要、現在の動き、今後の展望および期待される研究等について紹介する。本シンポジウムが、「生物多様性」という社会的テーマの個別課題を俯瞰し、それらトピックに興味がある参加者は、自身が今後どのような研究を実施することで社会ニーズに応えることができるか、具体的に検討するきっかけとなることを期待する。

[S14-1] 趣旨説明:研究と政策のギャップ解消に向けたこれまでの取り組み 大澤剛士(農環研)

[S14-2] 如何にして科学と政策を結び付けるか:英生態学会によるlegislative scanの取組み 天野達也(ケンブリッジ大学)

[S14-3] 社会経済と環境保全を繋ぐグリーンインフラの国内外の政策動向 西田貴明(三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))

[S14-4] IPBESの描く「科学-政策インターフェイス」:これまでに見えてきた課題と研究者コミュニティへの示唆 高橋康夫(IGES)

[S14-5] 地球温暖化影響から適応へ - 動き出す政策・研究の焦点 櫻井玄(農環研)

[S14-6] 生物多様性保全から考える鳥獣対策の課題 江成広斗(山形大学)

[S14-7] 行政側の最近の取組及び研究とのリンク 大澤隆文(環境省)


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