| 要旨トップ | ESJ65 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第65回全国大会 (2018年3月、札幌) 講演要旨 ESJ65 Abstract |
企画集会 T08 3月15日 17:30-19:30 E会場
昨今の環境破壊により絶滅の危機に瀕した水圏生物が加速度的に増加するなか,生態学,遺伝学,社会学等の包括的な研究から保全策を提案することは非常に重要である.奄美大島のみに自然集団が存続するリュウキュウアユは,日本の淡水魚の中でも,最も絶滅の危機に瀕している種の一つである.これまで多くの研究者が本種の保全のために知見を集積し,また,島民とともに保全活動を行ってきた.近年,演者らによる多方面の研究アプローチから新規の成果が得られている.本集会では,まず生態学の視点から,不明な点が多かった本種の生息場所や産卵場所の選択,初期生活史と食性,遡上生態について紹介する.次に,遺伝学的手法から明らかになったメタ個体群構造についての話題を提供する.最後に,社会学の視点から,保全活動の主体となるべき島民の意識に映るリュウキュウアユをとりあげる.これらをもとに,今後の保全の進め方や新規の研究展開について議論したい.リュウキュウアユの命名者である西田睦氏(琉球大)にコメントをいただく予定である.
[T08-1] 奄美大島の河川環境とリュウキュウアユの生息地・産卵場所選択
[T08-2] リュウキュウアユの初期生活史と摂餌生態
[T08-3] 個体群を隔てる初期分散と成長パタン
[T08-4] 生態調査と大規模DNA分析から明らかとなったリュウキュウアユのメタ個体群構造
[T08-5] 地域の「守られるべき自然」とリュウキュウアユ