| 要旨トップ | ESJ66 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム ME02 3月17日 9:30-12:30 Room B
生物は変動する環境に様々な方法で応答し、適応している。この生物が見せる精巧な環境応答がいかにして制御されているかを明らかにすることは、単に一個体内で起こる発生生理現象の理解にとどまらず、それがどのようにして獲得されたのか、集団内にどのように広がり、また失われるのかといった進化生物学や生態学における重要なテーマにも示唆をもたらす。このような研究において、生体内で何が起こっているのかを分子レベルで解析可能な様々な分子生物学的手法は非常に強力なツールであるが、すでに多くのアプリケーションが一般化した次世代シークエンサーなどごく一部の手法を除けば、生態学の分野においてはまだ浸透しているとは言い難い。目標の達成に極めて強力な分子生物学的手法が存在するにもかかわらず、技術・知識・設備・人脈が不十分である(つまり「分野」が違う)ために使われていないケースが多数あるであろうことが予想される。
本シンポジウムでは、特徴的な生物の環境応答・環境適応現象に着目し、様々な分子生物学的手法を駆使してその制御機構の解明に取り組んでいる研究について、日本分子生物学会に所属する招待講演者3名を含む方々にご講演いただく。現在日本生態学会と日本分子生物学会は共同研究推進に向けた学会連携を行っており、本シンポジウムにおける議論や交流を、生態学と分子生物学を融合しさらなる発展を促す契機としたい。
コメンテーター:占部城太郎(東北大)
[ME02-1]
ミジンコの環境依存型性決定における内分泌かく乱の分子機構
Molecular mechanisms of endocrine disruption on environmental sex determination in the water fleas Daphnia
[ME02-2]
ショウジョウバエ発育過程における栄養シグナルの役割
The role of nutrient signaling during Drosophila development
[ME02-3]
フィールドトランスクリプトームから明らかとなる樹木の季節応答と適応
Field transcriptome reveals seasonal environmental response and adaptaiton in trees
[ME02-4]
植物における光受容体による温度感知
Temperature sensing by photoreceptor in plants
[ME02-5]
イトヨにおける季節性生活史の進化とその分子遺伝基盤
Genetic basis underlying seasonal life-history adaptation in three-spined stickleback
[ME02-6]
温度環境に依存する爬虫類の性決定
Mechanisms of temperature-dependent sex determination in reptiles