| 要旨トップ | ESJ56 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
企画集会 T30 -- 3月21日12:00-14:00 K会場
かつて各地の農村に広く分布していた半自然草地は、1950年代には国土の10%を上回る面積を維持していた。しかし、今や全国土面積の2,3%にも満たないと見積もられ、草原性依存の生物が絶滅の危機に瀕している。その現存する草地の多くは九州の阿蘇や島根県三瓶に代表される主に山地の野草地であり、研究の蓄積も多く、各地で草原再生の試みも始まっている。これに対して、平野部の半自然草地については、急激な都市化や農業形態の変化に伴い、分布面積の減少、種組成の劣化、外来種の侵入などの影響で急激な衰退しているにも係わらず、これまで省みられなかった。
本企画集会ではかつては大面積で維持されていた里地里山の半自然草地がどのように衰退していったのかを整理し、残存する半自然草地の現状、ならびにその多様性と維持機構について、各地で実施されている研究事例を紹介し、これからの保全・再生・管理のありかたや方向性について参加者と議論を深めたい。
コメンテーター:高橋佳孝(農研機構近中四農研センター・全国草原再生ネットワーク会長)
[T30-1] 歴史的農業景観閲覧システムでみる関東における半自然草地の変遷
[T30-2] 歴史性は里地里山に残存する半自然草地に影響を及ぼす
[T30-3] 平野部農村地域に残存する線状生育地における草原性植物の分布状況
[T30-4] 茶草場として維持されている半自然草地の多様性
[T30-5] 盛岡市近郊に残存する農耕地周辺の半自然草地