| 要旨トップ | ESJ58 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
企画集会 T20 -- 3月8日 14:15-16:15 C 会場
競争や捕食といった生物間相互作用と比べ、facilitation(促進、生物間の正の相互作用)への注目はずっと新しい。理論研究より実証研究が先行しており、理論研究の発展が必要とされている。Facilitationの重要性を予測する仮説にSGH(stress gradient hypothesis)がある。これは、ストレスの低い生息環境では競争が重要な相互作用となるが、ストレスの高い環境ではfacilitationが重要になると予測するものである。しかし、この仮説は十分に理論化されていない。Facilitationはまた保全・修復生態学の重要概念/道具として期待されるが、実際の応用はこれからである。本集会では、先行研究の紹介に加え、facilitationの理解/応用を進めるための理論基盤の整備にむけた議論を行いたい。本集会の話題提供者は、岩礁潮間帯や草原、湿原などのフィールドで、基礎生態学的な立場から、あるいは保全・修復生態学的な応用を見すえて、facilitation研究を行ってきた。多様なバックグラウンドを持つ実証研究者の意見交流を通じて、有用なfacilitation理論の整備にむけた研究の方向性を見いだしたい。
[T20-1] 撹乱跡地の植物初期定着におけるfacilitation:泥炭採掘跡地における谷地坊主の例
[T20-2] 草原のfacilitation/competitionをswitchする要因を探る
[T20-3] Stress gradient hypothesis (SGH) の成り立ちと今後の展開:SGHに未来はあるか!?
[T20-4] 保全上重要な湖岸湿原における種・植生レベルの促進効果と伝統的植生管理
[T20-5] 地域種数-局所種数パターンとfacilitation