| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


企画集会 T03 -- 3月6日 14:30-16:30 C会場

海洋島から外来哺乳類を駆除するとおこること:物質循環と群集構造の変化

企画者: 可知直毅(首都大学東京)

海洋島の生態系は、侵略的外来種によって大きな影響を受ける。定着した外来生物は、その生態系内で新たな生物間相互作用を形成するとともに、この新たな生物間相互作用を介して生態系の物質の収支や循環にも影響をおよぼす。例えば、ネズミなど外来哺乳類による海鳥の捕食は、単に海鳥の個体数を減少させるだけでなく、海鳥の排泄物や死体を介した栄養元素の生態系外からの持ち込み量を減少させる。生態系における物質収支や循環は、生物群集の構成や生物間相互作用と互いに強く関連しており、このような情報は外来生物の順応的管理のためにも不可欠である。

この企画集会では、野生化したヤギとクマネズミにより大きな攪乱を受けた小笠原諸島の無人島を主な対象として、ヤギが駆除された後、植生回復や海鳥の営巣行動等を介して生態系の物質収支や循環がどのように変化したかについて、現地調査の結果を報告するとともに、その変化が生物群集の構成にどう影響しうるかについて、数理モデルによりわかったことを紹介する。

[T03-1] 海洋島における外来生物駆除のインパクト:なぜ物質循環なのか 可知直毅(首都大学東京)

[T03-2] 栄養塩環境から見た小笠原の陸域生態系の特徴 *平舘俊太郎, 森田沙綾香(農業環境技術研究所)

[T03-3] 外来ほ乳類の駆除は島の植生に何をもたらすか:海鳥を介した影響 *青山夕貴子(東北大学), 川上和人(森林総合研究所)

[T03-4] 外来ほ乳類駆除後の草地生態系の変化:野外データによる解析 *畑 憲治, 郡 麻里, 高岡 愛, 可知直毅(首都大学東京)

[T03-5] 外来生物駆除後の生態系の変化:コンピュータシミュレーションによる解析 吉田勝彦(国立環境研究所)


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