| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T08 -- 3月6日 14:30-16:30 H会場
本集会では、生態系基盤を構成する生物群として、陸上植物に相対するサンゴを捉える。それを踏まえてサンゴ礁生態学と植物生態学の類似・相違点を整理し、陸域と海域の生態系のより一般的な理解を目指す。
造礁サンゴは、動物でありながら固着性であり群体性の体制をとっている。さらに体内に共生する褐虫藻を通じて一次生産を担うことから、陸上植物と比較して議論されることが多い。また、自らが大きな物理的構造を構築することで周辺環境と異なる生態系を構成し、生物多様性と生物生産の基盤となることも植物群落との大きな共通点である。しかし、これまで両者の生態学は十分に比較対照されてはこなかった。そこで本集会では、サンゴの植物とのアナロジーに着目し、個体(群体)、集団(個体群)、群集、生態系それぞれの階層に渡って、サンゴの生態学的研究を行なっている講演者を用意した。サンゴと植物の生態学研究の比較を行うことで、陸域と海域での生態学的現象の統一的な理解を進めるための方向性について議論する。
*コメンテータ:
・井上志保里(東大・地惑):CO2増加による生態学的応答について
・他、陸上植物の研究者に打診中
[T08-1] はじめに:サンゴの個体・群集・生態系の基本構造について
[T08-2] 光合成と環境応答:光合成をおこなうことの利点と危険性
[T08-3] 造礁サンゴの分子生態学的アプローチ:植物研究との比較
[T08-4] サンゴ群集の時空間動態モデリング:植物群集との対比
[T08-5] サンゴと植物:似ているが、群集と個体群の特性は大きく違う