| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T12 -- 3月6日 17:00-19:00 A会場
カルタヘナ議定書では「改変された生物(Living Modified Organism; LMO)が生物の多様性の保全及び持続可能な利用に及ぼす可能性のある悪影響」を科学的に適正な方法で特定し、評価することを規定している。また名古屋・クアラルンプール補足議定書では「生物の多様性の保全及び持続可能な利用への悪影響」を損害と定義し、その基準を測定可能性、観察可能性、重大性という概念で規定している。
法的な枠組みが決まりつつある状況の中、現在の科学・生態学は「生物の多様性への悪影響」をどのような基準で評価できるのだろうか? 本集会では、まず議定書の意味する内容を法的に理解し、次に「生物の多様性」についてマクロ系とミクロ系の共通点と相違点を考える。後半では、現行の生態リスク評価の概念を実例とともに紹介し、最後に具体的な遺伝子組換え生物の評価事例から現状と課題を探る。
生物の多様性に対するリスク評価が科学的に健全な方法で実施されるように、現時点で判断できる事と今後の展望について議論したい。
趣旨説明:松井一彰
コメンテーター:三木 健(国立台湾大)
[T12-1] カルタヘナ議定書におけるリスク評価の実施義務
[T12-2] 細菌群集の多様性の評価 - マクロ生物の多様性の評価との比較
[T12-3] 種の保全活動を通してみた生態系保全・リスク評価
[T12-4] 遺伝子組換え作物の生物多様性影響評価の現状と課題