| 要旨トップ | ESJ63 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
シンポジウム S03 -- 3月22日 13:30-16:30 RoomA
近年、我が国の生物多様性政策は、従来の「自然環境の保護」に加え、「生態系を活用した豊かな国づくり」の視点が加わり、生物多様性の経済社会における主流化に向けた施策が展開されつつある。平成27年には、新たな国土計画(国土形成計画、国土利用計画)の策定とともに、社会資本重点整備計画の改定、気候変動適応計画の策定が行われ、これらの政府計画において「生態系を活用した豊かな国づくり」の考え方が盛り込まれている。例えば、生態系の機能を発揮させる社会基盤整備である“グリーンインフラ”や、生態系を活用した防災減災である”Eco-DRR”など、生態系の保全をツールと捉えた生物多様性政策の概念形成、計画策定が進められてきた。国土利用や社会資本整備に関する政府計画に「生態系の活用」が明確に盛り込まれたことは注目に値する。そこで、本シンポジウムでは、本年度に示された政府計画における生物多様性の位置づけを明らかにした上で、生態系を活用した経済社会における生物多様性の主流化に向けた政策動向を紹介しつつ、「豊かな国土づくりに向けた生態系の活用」をテーマに研究開発、普及啓発、資金動員の観点から、今後政府計画に基づく、施策展開に向けて必要となる取組について議論をおこなう。なお、本シンポジウムは、生物多様性に関わる多様な主体の一層の連携、交流を目的としており、生態学の研究者だけでなく、行政担当者、民間企業、他分野の研究者、学生からの参加を募り、幅広い視点から具体的なテーマのもと実際的な議論を進めたい。
テーマ:生物多様性保全をツールとした社会課題解決に向けた生態学研究
コーディネーター:西田貴明、岡野隆宏
コメンテーター:中静透(東北大)、岡部貴美子(森林総研)、鎌田磨人(徳島大学)、吉田丈人(東京大)、奥田昇(地球研)、大澤剛士(農環研)、飯島勇人(山梨県森林研)
[S03-1] 生物多様性を活用した新たな国づくりに向けて
[S03-2] グリーンインフラ関連施策の国内外における動向
[S03-3] 地方自治体における生物多様性の保全と活用に関する司令塔人材の登用の必要性
[S03-4] 生物多様性を活用したインフラ整備と地方創生の可能性