| 要旨トップ | ESJ64 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
企画集会 T07 3月16日 9:00-11:00 J会場
近年、生物多様性は地球規模で急速に劣化しつつあり生物多様性条約などの国際的な取組がなされている。このような取組の中で生物多様性の評価を行う際に、過去からどのように変化してきたかを明らかにすることは重要である。
博物館等に収蔵されている標本は、過去の分布情報として、生態学を含む生物多様性分野の研究に重要な役割を果たしてきた。それに加え、最近の技術的発達により、過去の生物多様性の断面の1部であった標本から、DNA塩基配列などの遺伝的情報が高精度に得られるようになってきており、過去と現在の遺伝的多様性の比較が可能となってきている。このような新分野はMuseomicsとして、博物館とバイオインフォマティックス分野の研究者との協力体制が進められつつある。
本集会では、博物館などに収蔵されている標本がどのように過去の生物多様性の推定に利用可能であり、そこからどのような情報が得られるかに焦点をあてる。そのため、実際に行われている標本を用いた研究を紹介すると共に、どのようにすれば博物館等の標本が、過去の生物多様性の推定に有効に利用できるかについて議論を行う。
[T07-1] 博物館の標本利用とMuseomics
[T07-2] 100年前の標本を使用した全ゲノム解析:進化を直接観察する
[T07-3] 草原性絶滅危惧蝶類における近年の遺伝的多様性・構造の変遷−標本DNAから明らかとなったこと—
[T07-4] 博物館標本の種子は生きている!:発芽可能性と標本作製・管理方法の検討