| 要旨トップ | ESJ64 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨 ESJ64 Abstract |
企画集会 T08 3月18日 9:30-11:30 B会場
生態系は、共生、競争、捕食-被食に代表される様々な生物間相互作用によって構成されている。中でも、植物-送粉者の共生関係は、古くから多くの生態学者を魅了し、送粉相互作用が植物の繁殖成功や形質進化に与える影響について多くの発見がなされてきた。その一方で、競争や捕食-被食などの、送粉以外の生物間相互作用が送粉共生系に与える影響は、これまであまり注目されてこなかった。しかし、競争や捕食-被食などの相互作用は、植物・送粉者の個体数や形質、行動を変化させることで、送粉相互作用のあり方を変化させ、送粉系にシンプルには予測できない影響を与える可能性がある。
本集会では、植物間・送粉者間の競争(勝原・平岩)、植食者・捕食者の存在(池本・香川)が植物-送粉者関係に与える影響に着目した研究例を紹介する。これらはいずれも、複雑に関係し合う相互作用を、従来の視点をさらに広げた視点から読み解くことで、生物間相互作用の研究に新たな展開を与えるものである。さらに、送粉共生系をより包括的な生態学の文脈で理解するために必要なアイデアやこれからの研究課題について総合討論を行いたい。
コメンテーター:石井博(富山大)
[T08-1] 在来ツユクサ属2品種の送粉者をとりまく競争関係
[T08-2] 植食者が訪花者群集を介して植物の繁殖成功に及ぼす影響
[T08-3] 送粉者の捕食者が送粉共生系の多様化を促進する:シミュレーションによる研究
[T08-4] 送粉者間の競争の変化がもたらす訪花ニッチの変化と植物への影響:本州と海洋島の比較