| | 要旨トップ | ESJ67 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
自由集会 W01 3月4日 17:00-18:30 Room D
性選択によって、しばしば外部形態の性的二型が進化する。例えばオスの角が大きく発達した種では、メスとの交尾機会を得るためのオス間闘争でその大きな角が用いられる。また、オスが派手な装飾形質を持つ種では、メスによる選り好みによって派手なオスが交尾に成功しやすい。その一方で、昆虫の中には脚の形態に性的二型が見られる種が存在し、オスの脚が太く発達した種や、オスの前脚が体長よりも長く発達している種も存在する。このようにオス特異的に発達した脚は、メスの獲得を巡るオス間闘争や、メスに対する求愛において重要な役割を果たしていると考えられている。また、オスからのセクハラに対抗するためにメスがしばしば脚を用いて抵抗することも知られている。このように昆虫の脚は繁殖において重要な役割を担っている。しかしながら、大きな角や派手な装飾形質に比べると、脚に焦点を当てた性選択の研究はあまり注目されていないのが現状である。本集会では、昆虫の脚が繁殖にどのくらい重要であるかを紹介することを主な目的とする。昆虫の脚と繁殖に魅せられた研究者達に、昆虫の脚の魅力について十分に語って頂き、繁殖における昆虫の脚の重要性について議論が盛り上がれば幸いである。
[W01-1]
ワリックツノハナムグリのオスにおける長い前脚の機能
Functional roles of elongated forelegs in the male flower beetle Dicronocephalus wallichii
[W01-2]
テナガショウジョウバエにおける前脚を使った闘争とそのコスト
The longevity cost of fighting in males of Drosophila prolongata.
[W01-3]
メスの後脚は繁殖干渉の強さを決めるか？：マメゾウムシを用いた実証研究
Do Female's Hind Legs Determine the Intensity of Reproductive Interference?: Empirical Study Using Bean Beetles
[W01-4]
コクヌストモドキの歩行能力への人為選抜に対する繁殖形質やオスの脚の反応
Responses of artificial selection for walking on the reproductive traits and male's leg in the red flour beetle