| 要旨トップ | ESJ68 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
自由集会 W06 3月18日 17:30-19:00 Room E
植物は光合成によって炭素を固定する一方、窒素・リンといった栄養塩や水分(養水分)を土壌から根を通して吸収する。しかし、植物が獲得できる養水分はしばしば制限されるため、植物は養水分を獲得する為の多様な機構を備えている。
マングローブ植物は熱帯・亜熱帯の沿岸域に生育する植物であり、その生育環境は一般的に海水の流出入によって塩分濃度が高く、窒素・リン濃度が低いことが知られている。したがって、マングローブ植物は養水分を効率的に獲得する機構を発達させていることが予想される。
本集会では、マングローブ植物の硝酸態窒素利用に関する特性(小山)、マングローブ植物と窒素固定細菌およびアーバスキュラー菌根菌との共生関係(井上、赤路)、ならびに樹液流計測からみえてきたマングローブ植物の水利用特性(宮沢)に関して報告する。これらの報告を踏まえて、マングローブ植物の養水分獲得機構についての知見を統合することで、マングローブ植物の生理生態について理解を深めることを目的とする。
コメンテーター:木庭啓介(京都大学)、野口 航(東京薬科大学)
1. はじめに(井上智美)
2. マングローブ植物の窒素源としての硝酸態窒素(小山里奈)
3. マングローブ植物呼吸根の通気組織を介したガス輸送は低窒素環境への適応なのか?(井上智美)
4. ニッチが異なるヒルギ科二種の菌根共生と細根形態様式(赤路康朗)
5. マングローブは吸水が制限されている植物なのか?(宮沢良行)
[W06-1]
マングローブ植物の窒素源としての硝酸態窒素
Nitrate as a N source for mangrove species
[W06-2]
マングローブ植物呼吸根の通気組織を介したガス輸送は低窒素環境への適応なのか?
Aeration system through mangrove aerial roots: is it adaptation to nitrogen deficiency?
[W06-3]
ニッチが異なるヒルギ科二種の菌根共生と細根形態様式
Patterns of mycorrhizal symbiosis and fine root morphology in two Rhizophoraceae mangroves with different niches