| 要旨トップ | ESJ69 自由集会 一覧 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


自由集会 W10  3月17日 18:30-20:00 Room D, 現地開催/ライブ配信あり/見逃し配信対応

地上部と地下部の相互作用における動物の役割
Ecological roles of animas on aboveground and belowground linkages

富田幹次(北海道大学), 小林真(北海道大学)
Kanji TOMITA(Hokkaido University), Makoto KOBAYASHI(Hokkaido University)

地上部と地下部の生物間での相互作用は、養分循環や一次生産などの陸上生態系の機能を制御する重要なドライバーの一つである。地上地下相互作用は、地上部と地下部にまたがって存在する植物によるリター供給と根からの土壌養分の吸い上げによって駆動されることが古くから認識されてきた。その一方で動物は、移動や採食を通して、植物よりも複雑で異なる経路で地上と地下のつながりを生んでいると考えられるにもかかわらず、彼らが果たす役割は植物と比べて見過ごされてきた。

地上地下相互作用に重要な役割を果たしていると考えられる動物の例として、セミのように発生段階を通して地上部から地下部に移動する昆虫や、地下と地上の両方のエサを利用するクモや地表徘徊性昆虫(ゴミムシなど)のようなジェネラリスト消費者、根を採食することで植物の葉形質を変化させ、地上部の植食者に影響をおよぼすコガネムシ幼虫のような根食者、などが知られている。また、腐植をエサとしていると考えられているミミズやトビムシなどの土壌動物が植物の地下部(細根・菌根・滲出物)や、さらには地上部を消費することが明らかになり、かれらも新鮮な光合成産物を直接利用していることが分かってきた。このような多様な経路を整理することは、地上地下相互作用における動物の役割の理解を深めるうえで大切だろう。

この自由集会では、これまで見過ごされてきた動物を絡めた地上地下相互作用に関連する最新の研究について話題提供し、このトピックの今後の展望について議論する(コメンテータ:宮下直(東京大学))。

[W10-1]
地上部と地下部の相互作用における動物の役割を俯瞰する *富田幹次(北海道大学)
Ecological roles of animas on aboveground and belowground linkages *Kanji TOMITA(Hokkaido Univ.)

[W10-2]
地上部-地下部相互作用で根を噛み切る昆虫が関係する課題を整理する *角田智詞(福井県立大学)
Root chewers in above- and below-ground interactions *Tomonori TSUNODA(Fukui Pref. Univ.)

[W10-3]
土壌食物網の下位栄養段階に属するトビムシの食性 *藤井佐織(森林総合研究所)
Feeding habits of Collembola located in lower trophic positions in the soil food web *Saori FUJII(FFPRI)

[W10-4]
陸上無脊椎動物の腐植連鎖への依存に環境変化が与える影響 *兵藤不二夫(岡山大学)
Effects of environmental changes on dependence of terrestrial arthropods on detritus food chain *Fujio HYODO(Okayama University)


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