| 要旨トップ | ESJ71 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
シンポジウム S03 3月19日 9:00-12:00 Room C
森林の炭素吸収量の変動予測は気候変動の緩和策を講じる上で喫緊の課題である。樹木に取り込まれた炭素は、枝や幹といった木部の生産に使われると長期間樹体内に蓄積される。したがって、樹木の木部生産量の気候応答を明らかにすることは、森林における中長期的な炭素吸収量の確からしい予測にかかせない。
樹木は最大で数千年にわたり年輪を形成する。年輪幅は年により変動し、生産された年の環境を反映していると言われている。そこで年輪幅の変動に影響する要因を調べることで、環境が木部生産量へ与える影響を推察できることが期待される。また木部の安定同位体比は過去の気候を反映するため、年輪の同位体比は過去の気候を把握するための有効なツールとして使われる。しかし、気候変動と年輪形成との関係とその背後の生理的メカニズムは不明な点が多い。
本シンポジウムでは過去の環境変動や操作実験による環境の変化に対する年輪の応答について、3人の演者に異なる角度からご講演いただく。また、これらの知見に基づき、年輪から林分スケールでの炭素吸収量を議論できる可能性についてコメンテーターに意見をうかがう。
[S03-1]
樹木年輪セルロースの酸素同位体比を用いた気候復元と年代決定
Climate reconstruction and dating of wood using tree-ring oxygen isotop
[S03-2]
落葉広葉樹環孔材樹種における孔圏道管の形成
The formation of earlywood vessels in the deciduous ring-porous wood species
[S03-3]
年輪から樹木の生態を探る
Tree ecology from tree rings