| 要旨トップ | ESJ71 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
自由集会 W17 3月20日 13:00-14:30 Room E
これまでに計125属3750種が記載されているサトイモ科は,被子植物でも最小クラスの植物体を持つミジンコウキクサから,巨大な花序を咲かせてしばしばニュースを賑わせるショクダイオオコンニャクを含む,驚くべき形態的多様性を示す分類群である.その種多様性の中心は,約95%の種が分布する熱帯地域にあるものの,周北極域の湿地帯に広く進出したヒメカイウや,温帯地域の水田で頻繁に目にすることができるウキクサ亜科,乾燥した西アジアや北アフリカへと進出したBiarum属など,新たなハビタットを求めて熱帯を飛び出した分類群もまた枚挙にいとまがない.そのような分布域の変遷は,一体どのような形態・生理・生態的な適応によって実現したのだろうか.昨年のシンポジウムでは,「サトイモ科全体の多様性の概観」をテーマとして,特定の系統に偏ることなく幅広く演者を集めた.その続編である今回は,「分布域の拡大」,「種分化」,「環境適応」をキーワードとして,広域に分布するウキクサ亜科,それとはまったく独立に浮遊性の生活史を獲得し全世界に広まったボタンウキクサ,熱帯から温帯へと進出して適応放散したテンナンショウ属の研究者をお呼びした.前回に引き続き,研究材料としてのサトイモ科植物の魅力を発信するとともに,生態学・分類学・分子生物学という幅広い研究アプローチから得られた最新知見を共有し,議論したい.
[W17-1]
ウキクサの概日リズムの種間多様性
Interspecific divergence of circadian rhythms in duckweed
[W17-2]
ボタンウキクサは本当に外来種?文献および標本記録に基づく再検討
Is Water Lettuce really an alien species in Japan? A review based on literature and specimen records
[W17-3]
ここまで分かった日本産マムシグサ節における適応放散的な多様化
Adaptive radiation of Japanese Arisaema sect. Pistillata