| 要旨トップ | ESJ73 自由集会 一覧 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


自由集会 W32  3月13日 17:15-18:45 Room D: 京大4号11

一寸の虫にもラブの魂 XI
Soul love to an inch of insect.Part XI

日室千尋(岐阜大学応用生物科学部), 宮竹貴久(岡山大学大学院環境生命科学研究科)
Chihiro HIMURO(Gifu Univ.), Takahisa MIYATAKE(Okayama Univ.)

 生き物たちの“恋のかたち”って、ほんとうに多彩だ。なかでも昆虫たちは、配偶のチャンスをめぐって、時にメロい(=甘くて切ない)戦略を、時にビジュイイじゃん!と唸るような造形を進化させてきた。そんな彼らの知恵と情熱を、行動・形態・神経の3つのスケールから解き明かそうというのが、今回の研究集会だ。
 まず「性依存的な多様性の検証」では、オスとメスで違う形質や行動がどのように維持されるのかを明らかにし、“厳しいって”思わずつぶやきたくなる生存戦略の妙を探る。続いて「オオオサムシ亜属における交尾器の大型化に関わる進化発生機構」では、seju顔のオサムシたちが繰り広げる、しゃばいようでウマ確(うますぎやろがい)な形態進化の仕組みを紹介。そして「新しい求愛儀式を生み出す脳内機構-プレゼントを贈るハエの脳は他の虫と何が違う?」では、ハエの求愛神経回路を“つなぎ替え”ることで、種ごとに異なる恋愛モードを再現するという、ほんmoney(=本気でアツい)成果が披露される。
 おい、笑えるほどユニークで、でもどこか人間くさい。そんな昆虫界隈の配偶戦略から、生き物の進化と行動のおもしろさだって伝えなきゃ――エッホエッホとフィールドで汗を流す研究者たちの熱を伝えなきゃ。

[W32-1]
性依存的な多様性効果の検証 *鈴木紀之(三重大学)
Sex-dependent diversity effect in insects *Noriyuki SUZUKI(Mie Univ.)

[W32-2]
オオオサムシ亜属における交尾器の大型化に関わる進化発生機構 *古本知奈美(神戸大学), 寺田夏蓮(神戸市立住吉中学校), 高見泰興(神戸大学)
Evolutionary developmental factors of the exaggerated genital molphology in Ohomopterus ground beetles *Chinami FURUMOTO(Kobe Univ.), Karen TERADA(Sumiyoshi JHS), Yasuoki TAKAMI(Kobe Univ.)

[W32-3]
新しい求愛儀式を生み出す脳内機構-プレゼントを贈るハエの脳は他の虫と何が違う? *田中良弥(名古屋大学)
Neural basis of a gift-giving courtship ritual *Ryoya TANAKA(Nagoya Univ.)


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