| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
企画集会 T06 -- 3月16日17:30-19:30 G会場
群集の中での進化を考えることは、進化についての見方をどのように発展させるだろうか?多種に反応して、または、ある種からの間接効果に反応して生物はどのように進化するのだろうか?
近年、群集研究と進化研究の融合を強く主張する潮流が生まれつつある中で、群集構造に依存した進化(evolution in a community context)に対する関心が高まっている。実際には、群集と進化を結び付ける発想は新しいものではない。たとえば、群集のパタンは種の進化の歴史に強く影響を受けるため、形質置換やニッチ分化など群集と生物進化を結び付ける概念が古くから発展してきた。しかし、2種間の相互作用における進化研究がさかんに行われる一方で、3種以上からなる群集の中での進化の実態に関してはほとんど明らかにされてこなかった。このことは、群集生態学と進化生物学が乖離して展開されてきたことと無縁ではない。現在、それぞれの理論や研究アプローチの発展によって、改めて群集と進化を結び付けるチャンスが到来し、新たな展開を迎えようとしている。
本集会では、拡散的進化や群集と進化の動態の関わりについて系統学的研究から実験・理論的研究まで幅広い話題を提供する。この研究領域における最新の知見についての議論を通じて、問題点や論点を整理し、今後の展望を探りたい。
[T06-1] 複数種の加害による選択圧とその応答:量的遺伝学からみた群集と進化
[T06-2] 植食者に働く拡散的な自然選択:インターフェースとしての植物の食害応答
[T06-3] アリ植物をめぐる生物間相互作用の起源と多様化
[T06-4] 局所的な天敵群集とアリ―アブラムシ共生の相互作用
[T06-5] 捕食者特異的な防衛適応がギルド内捕食系に与える影響