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シンポジウム S14
長寿命一回繁殖性で、しかも一斉開花するというタケササ類の開花習性はどのように進化してきたのだろうか。
タケササ類は熱帯起源で温帯に拡がってきたと考えられている。熱帯のタケは仮軸タイプ型の地下茎をもち叢生するのに対し、温帯では水平に広がる地下茎をもつ。一方、開花習性に関しては、一般に温帯の方が同調性が高く,開花周期は長い。すなわち、“株立ち型”から“水平展開型”への変化に伴って開花習性も変わってきたのではないかと考えられる。
ここで問題になるのは、個体群内のクローン構造と開花結実期における遺伝子流動の実態である。“株立ち型”から“水平展開型”への変化に伴って,クローン間の相互関係や開花の際の交配様式はどう変化したのか?そして,どのようにして遺伝的多様性を保ちながら更新しているのか?
こうした疑問に対し,本シンポジウムでは、開花更新に関するレビューに加え,熱帯・温帯の双方で蓄積しつつある分子生態学的手法を用いたクローン構造や開花更新を巡る最新の解析結果を交え、Bambooが一斉開花することの意味を考えてみたい。
このことは、一斉開花性やクローナル特性の進化に関しても示唆を与えるものとなろう。
(司会) 鈴木準一郎(首都大東京)
[S14-1] 趣旨説明・・・Bambooの開花習性とクローン構造に関してのミニレビュー
[S14-2] チシマザサとチュウゴクザサのクローン構造
[S14-3] クマイザサのクローン構造と開花様式
[S14-4] 日本とオーストラリアにおけるタケのクローン構造と開花パターン
[S14-5] タイ熱帯季節林での熱帯性タケ類の一斉開花と更新プロセス
[S14-6] 48年ごとに咲くタケ・・インド・ミゾラム地方のメロカンナの一斉開花・更新
[S14-7] タケササ類の開花・更新時を対象とした分子生態学的解析