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企画集会 T07

時を操る遺伝子の分子機構と生殖隔離

企画者: 宮竹貴久(岡大院・環境・進化生態)

体内時計を支配する分子制御メカニズムについては、近年その理解が急速に進んでいる。一方、生殖隔離の生態学的な研究において、生物の異時性(アロクロニー)と生殖隔離の関係が再び注目されつつある。しかし時間を制御する分子生物学的メカニズムに関する研究と、異時的な生殖隔離に関する生態学の研究とのあいだにはほとんど接点がなく、大きなギャップがある。

本企画集会では、生物が繁殖するタイミングを支配する時計遺伝子の分子メカニズムの理解と、その生態学への展開について、昆虫と植物の両面から話題と議論を提供する。

集会の具体的なスケジュールは、繁殖のタイミングと生殖隔離に関する簡単なレビュー、主にハエ目昆虫で進んだ交尾時刻と時計遺伝子および生殖隔離との関係についての理解、モデル生物としての昆虫の代表選手ショウジョウバエと植物の代表選手シロイヌナズナのゲノム解析によって次々と分子機構が解き明かされつつある体内時計仕掛けの分子機構、そして野外で夜に開花するキスゲと昼に咲くハマカンゾウの生殖隔離についての生態と開花時間の遺伝的基盤へと話しを進める。そして分子メカニズムから生態学へと通じる道、今後のアロクロニック(異時的)な生殖隔離の研究、しいては新たなる時間生態学のセットセイルに向けた研究の方向性についても議論しちゃいたい。

[T07-1] 繁殖のタイミングと生殖隔離:ミバエの研究で進んだ理解 宮竹 貴久 (岡大院・環境・進化生態)

[T07-2] キイロショウジョウバエにおけるゲノムワイドな時計遺伝子解析 松本 顕 (九大・高等教育セ)

[T07-3] 植物の概日時計と形態形成制御 溝口 剛 (筑波大・遺伝子実験セ)

[T07-4] 夜咲き種キスゲと昼咲き種ハマカンゾウから開花時間の遺伝的基礎に迫る *新田 梢・安元 暁子・矢原 徹一(九州大・院理・生物)

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