| 要旨トップ | ESJ56 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
企画集会 T15 -- 3月19日17:30-19:30 D会場
生態学の歴史には島を舞台とした重要な研究がいくつも見出される。特に火山活動によって生み出される海洋島の生物相は、生態学的な空白状態から多様化していくため、生物相の形成規則や、生物間相互作用と群集の構築の研究に重要な機会を与えてくれる。
伊豆諸島はフィリピン海プレート上に形成された南北に連なる9つの有人島とその周辺の無人島で構成される海洋島である。本土から数100kmほどしか離れていないため、種の供給地となったであろう日本本土の生物相との比較も行いやすい。この集会では、伊豆諸島の生物相をモデルとして、まずクモ類とハチ類を用いた種数−面積、種数−距離の関係を紹介し、生物相の形成規則の理解を深める。次に、本土からの生物の移住史をヤマガラとシマヘビを例に、集団遺伝学的な解析により推定した研究を紹介する。最後に、生物間相互作用が構成種の進化に与えた影響を明らかにした研究例として、オカダトカゲとその捕食者の被食−捕食系、シマクサギ・クサギとその送粉昆虫の花−送粉者系を紹介し、島嶼における生物間相互作用のダイナミクスに迫る。
コメンテーター 川上 和人(森林総研)
[T15-1] 伊豆諸島における節足動物(クモ類とハチ類)の生物相 種数−面積−距離の関係
[T15-2] 伊豆諸島のその周辺本土におけるヤマガラの集団構造
[T15-3] シマヘビの系統地理と体サイズの進化
[T15-4] オカダトカゲの色彩パターン−捕食者に対応した地理的変異−
[T15-5] 伊豆諸島における花形態の進化−クサギとシマクサギの訪花昆虫相から見えたこと−