| 要旨トップ | ESJ60 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
シンポジウム S09 -- 3月7日 9:30-12:30 C会場
日本の国土の12%は農地であるが、なかでも水田は農地の主要面積を占める。水田は、食料生産の場を提供するのみならず、代替湿地として、希少動植物の生息場所の提供や洪水制御など、野生生物や人間社会に数かずの恵みをもたらしてきた。しかしながら、これまで国内の水田は、農薬の過剰使用や、大型機械の導入に伴う管理形態の変化、農村地の高齢化や過疎化に伴う耕作放棄地の増加、といったさまざまな環境変化の影響を受け、代替湿地としての機能の低下が懸念されている。この現状を受け、近年、各地で環境の保全・再生を軸とする“環境保全型農法”の取組みが進められている。また、地域によっては、“伝統的農法”が見直されたり、自然の力を最大限に活用した“省力型農法”や管理技術が開発されたりしている。本シンポジウムでは、各地で進められている水田の自然再生の取組みが水田の多面的機能に与える影響について総合的に考察する。
プログラム構成
・企画趣旨
・事例報告(6演題)
・総合討論
[S09-1] 1.長野県佐久地方の伝統的農法“稲田養魚”
[S09-2] 2.トキをシンボルとした環境保全型農法の取組み効果
[S09-3] 3.冬期湛水・有機栽培における稲、土、生きもの
[S09-4] 4.能登の省力型農法“乾田不耕起直播農法”
[S09-5] 5.生態系サービスを活用した環境保全型水田における害虫防除
[S09-6] 6.田んぼで洪水は防げるか‐田んぼダムの可能性と技術的課題‐