| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T02 -- 3月6日 14:30-16:30 B会場
過去100年の人間活動の高まりによる生態系変化は、人間社会の持続性に対する脅威となりつつある。この脅威を回避・緩和するためには、生態系変化の迅速な検出と対策のためのモニタリングが必要であるが、全ての生態系を日常的にモニタリングすることは不可能である。この問題を克服するためには、変化前の生態系を復元することで変化の様相とその過程を的確に把握するためのレトロスペクティブ(事後回顧的)なモニタリング技術が有効である。この技術を用いることにより、温暖化など広域的な環境要因と富栄養化など局所的な要因の影響を差分として識別できるプロキシ(代替指標)を導きだし、これを用いて複数の生態系の比較モニタリングを行うことが可能となる。
湖沼堆積物には過去の生物群集や環境状態を物語る痕跡として、動植物プランクトンの遺骸や休眠卵、内生性や外生性の多様な有機物が年代ごとの層となって保存されている。本企画集会ではDNA分析や最新の化学分析手法を我が国の湖沼堆積物に用いた研究成果を紹介し、レトロスペクティブ型モニタリングの今後の方向性について議論したい。
コメンテーター:伴修平(滋賀県立大・環境)
[T02-1] イントロダクションー湖沼生態系のレトロスペクティブ型モニタリング
[T02-2] 動物プランクトン情報を用いた湖沼生物群集の復元
[T02-3] 堆積物の色素・遺骸を用いた湖沼の植物プランクトン動態の復元
[T02-4] 堆積物の有機物・安定同位体を用いた湖沼と集水域環境の復元
[T02-5] 堆積物中の花粉を用いた湖沼・集水域植生の復元