| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T06 -- 3月6日 14:30-16:30 F会場
植物生態系では、生物多様性が高いほど一次生産量が増し栄養塩の循環系が維持され、また水質浄化機能や病害抵抗性が高いことが報告されている。残念ながら、これらの生態系機能に関する知見は主に草地生態系などの実験系によるもので、森林生態系では実証例が極めて少ない。一方、種多様性回復は世界的な森林管理の一つの目標になりつつあり、日本でも針葉樹人工林に広葉樹を導入し針広混交林化しようという動きがある。これまでも、間伐遅れの過密な林分より、適正な間伐を行ない下層植生の豊富な林分の方が水源涵養機能や土砂流出防止機能が大きく向上することが知られている。しかし、それらは主に植生被覆の物理的な効果によるものとされ、種多様性回復の効果は解析されていない。この集会では、間伐強度の異なるスギ人工林において、植物の種数やサイズの回復が、地上部・地下部の多様な生物間の相互作用を通じて、どのように生態系機能を変化させるのかについて検証した事例を紹介する。森林における生物多様性と生態系機能に関する解析手法やその有効性についても議論したい。
[T06-1] 趣旨説明
[T06-2] スギ人工林における間伐強度が種多様性の回復および炭素固定量に及ぼす影響
[T06-3] スギ人工林における種多様性と水源涵養機能
[T06-4] 間伐強度の異なるスギ人工林における栄養塩の循環
[T06-5] 間伐強度の異なるスギ人工林土壌におけるO層の変化とA層上部の特性
[T06-6] 間伐強度の違いが土壌細菌叢に与える影響
[T06-7] スギ人工林における林床植生と土壌保全機能