| 要旨トップ | ESJ60 企画集会 一覧 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
企画集会 T11 -- 3月6日 14:30-16:30 K会場
2011年3月の東日本大震災・津波は,これまでに経験のない「1000年に1度」といわれる突発的な大攪乱を東北地方の太平洋沿岸に引き起こした.この大攪乱は,沿岸域生態系にどのような影響を与え,それは生態学的にどのように位置づけられるのだろうか.本集会では東日本大震災を例に,大攪乱による沿岸生態系への影響を整理・総括し,地震・津波などによる突発性大攪乱の生態学的意義 (ecological consequence) について議論する.
沿岸域生態系は水圏-陸圏生態系の移行・遷移帯(エコトーン)に属し,海岸林や砂浜,干潟やヨシ原といった質の異なる多様な局所生態系が,帯状・パッチ状に重なったメタ生態系構造を有している.そこで本集会では,このような沿岸域生態系の特異性・空間異質性に注目し,大攪乱がもたらした影響のうち,(1) 物理的攪乱,(2) ハビタットの喪失・創出,(3) 異地性流入,の3つの生態学的プロセスに主眼を置くことで,さらに議論を深めたい.
コメンテーター:野田隆史 (北大・地環研)
[T11-1] 蒲生干潟の20年:底生動物群集の長期経年変動と津波による影響評価
[T11-2] 水田の大型動物に対する津波の影響評価-宮城沿岸部の水田を例に-
[T11-3] 津波による海岸砂丘の景観レベルでの変化とその要因-岩手県の海浜を例に-
[T11-4] 新しい潮間帯はどうなっているか-広田湾・小友浦を中心に
[T11-5] 大津波による海浜植生の質的変化と回復ポテンシャルの推定
[T11-6] 津波という大規模攪乱が砂浜海岸エコトーンに残した影響
[T11-7] 地震・津波の生態系への影響を広域スケールで比較する