| 要旨トップ | ESJ63 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第63回全国大会 (2016年3月、仙台) 講演要旨 ESJ63 Abstract |
シンポジウム S02 -- 3月21日 14:00-17:00 RoomD
科学が生物多様性の保全に直接貢献するためには、データを集積し、そこから科学的知見を得て、その知見を現場で活用するという情報利用の過程を経る。しかしながら、これまで集積されてきたデータの量や種類は、科学的研究の需要とは必ずしも一致しない。また、科学が蓄積してきた知見と、保全活動や政策の現場が必要とする情報が一致しないこともよく知られている。こういった情報利用の過程に存在するいくつもの「ギャップ」は、生物多様性の保全に対して科学が貢献する際の障壁となっている。IPBESによる評価やJBO2などを通して科学の果たす役割が国内外で問われる今、まさに我々はこの情報のギャップに能動的に挑んでいく必要があるだろう。
このシンポジウムでは、まず「保全科学」が直面している情報のギャップの詳細とそれを生み出す要因について説明する。次に情報のギャップを克服するための取組みとして、(1)情報が少ない種や地域を対象とした一次データの集積、(2)情報の欠如を補うモデリング、(3)研究-実務間ギャップの克服、という3つの側面から具体的な取組みについて講演を行う。
[S02-1] 保全科学における情報のギャップと3つのアプローチ
[S02-2] 情報が欠如した種の分布をどうモデリングするか
[S02-3] 生態学的データの空間的・分類群間偏りを解消するための取組み
[S02-4] 研究-実務間ギャップ1: 政策が必要とする科学的情報・知見とは
[S02-5] 研究-実務間ギャップ2: 保全活動の現場が必要とする科学的情報・知見とは