| 要旨トップ | ESJ67 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


シンポジウム S03  3月5日 9:30-12:30 Room F

繁殖様式の多様性と空間構造
Diversity of reproductive system and spatial structure

別所和博(埼玉医科大学), 立木佑弥(首都大学東京), 星野雅和(北海道大学), 佐々木顕(総合研究大学院大学), 熊谷直喜(国立環境研究所)
Kazuhiro BESSHO(Saitama Medical University), Yuuya TACHIKI(Tokyo Metropolitan University), Masakazu HOSHINO(Hokkaido University), Akira SASAKI(SOKENDAI), Naoki H KUMAGAI(National Institute for Environmental Studies)

 生物に見られる繁殖現象は、古くから進化生態学者の興味を引いてきた。繁殖システムはそれ自体の進化と維持が興味深い問題になるだけではなく、それはしばしば個体群に空間構造をもたらし、遺伝子や個体間相互作用を介して生物の進化・生態動態に大きな影響を及ぼす。本集会では、繁殖の進化と生態に空間構造がもたらす影響や、逆に繁殖システムが空間パタンや遺伝的構造にもたらす影響についての研究を紹介して頂き、繁殖生態学と空間生態学の接点について考えたい。
 今回、具体的には、東京都立大学の立木がタケ・ササ類に見られるクローナル繁殖、周期的繁殖戦略と空間構造の関係について、名古屋大学の西田がタンポポ等で見られる繁殖干渉と空間スケールについて、埼玉医大の別所が集団遺伝学において空間構造を定量する指標であるFstの繁殖システム研究への応用について、北海道大学の星野が褐藻類に見られる無性/有性生殖の地理的変異について、国立環境研究所の熊谷が移動分散と繁殖様式が駆動する海洋生物の群集動態についてを、総研大の佐々木が空間構造下における病原性の進化と感染について話す。また、集会の最後にコメンテーターにコメントをお願いする予定である。

[S03-1]
タケササ類開花周期の地理的クライン形成: 空間をめぐる競争の効果について *立木佑弥(首都大学東京)
Geographic cline formation of flowering time in bamboos *Yuuya TACHIKI(TMU)

[S03-2]
繁殖干渉と生物分布-タンポポ等での実証研究から- *西田佐知子(名古屋大学), 高倉耕一(滋賀県立大学), 西田隆義(滋賀県立大学)
Effects of reproductive interference on plant distributions *Sachiko NISHIDA(Nagoya Univ.), Ko-Ichi TAKAKURA(Univ. Shiga Prefecture), Takayoshi NISHIDA(Univ. Shiga Prefecture)

[S03-3]
haploid-diploid集団におけるFstの性質とその応用について *別所和博(埼玉医科大学), Sarah P. OTTO(UBC)
Fst in a haploid-diploid population *Kazuhiro BESSHO(SMU), Sarah P. OTTO(UBC)

[S03-4]
褐藻類に見られる有性生殖集団と単為生殖集団の分布パタンについて *星野雅和(北海道大学)
Distributional pattern of sexual and parthenogenetic populations in brown algae *Masakazu HOSHINO(Hokkaido Univ.)

[S03-5]
移動分散と繁殖様式が駆動する海洋生物の空間分布 *熊谷直喜(国立環境研究所)
Dispersal and reproductive mode drive spatial distribution of marine organisms *Naoki H KUMAGAI(NIES)

[S03-6]
宿主分散のソース・シンク構造が病原体の病原性進化に与える影響 *佐々木顕(総合研究大学院大学)
Source-sink structure in hosts' migration and evolution of virulence in their pathogens *Akira SASAKI(SOKENDAI)


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