| 要旨トップ | ESJ67 シンポジウム 一覧 | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨
ESJ67 Abstract


シンポジウム S07  3月5日 9:30-12:30 Room L

野生動物由来感染症対策としての野生動物管理ー感染拡大を捉え、予測し、阻止する―
Wildlife management for the zoonotic risk management - visualizing, predicting and preventing infection spread -

岡部貴美子(森林総合研究所), 五箇公一(国立環境研究所)
Kimiko OKABE(Forestry and Forest Products Research Institute), Kouichi GOKA(National Institute for Environmental Studies)

新興感染症の75%以上を占めるとされる野生動物由来の人獣共通感染症(たとえばSARS、ウエストナイル熱)の拡大は、生物多様性が高く未知の病原体も豊富な野生動物生息地の攪乱や分断化、都市化、温暖化などによる感染機会の拡大や病原体の突然変異の促進などが主な原因と分析され、今日、環境問題と理解されている。国際的な取り組みとして、病原体、動物そして人に対して総合的に対処するワンヘルスのアプローチが提案され、様々な研究が進められている。このような野生動物由来感染症に対して現場レベルでは、どこで感染が起こっているのかその実態を捉え、重要な病原体の媒介生物やその宿主の分布拡大はどうなるのか予測することは、対策を立てる上で極めて重要である。本シンポジウムでは、日本で拡大が懸念される野生動物由来感染症をモデルに、適切な野生動物管理に基づく野生動物由来感染症拡大防止について、疫学的、病理学的、生態学的なアプローチを紹介しながら議論を深める。

[S07-1]
野生動物がもたらす媒介マダニの増加とSFTSウイルス拡大予測 *岡部貴美子, 飯島勇人, 亘悠哉, 古川拓哉(森林総合研究所)
Prediction of SFTSV expansion by wildlife associated with changes in vector tick populations *Kimiko OKABE, Hayato IIJIMA, Yuya WATARI, Takuya FURUKAWA(FFPRI)

[S07-2]
県スケールのSFTS感染予測 ~宮崎県における分析~ *安尾和裕, 西浦博(北海道大学)
Prefecture-scale distribution-predictor of SFTS infection: spatial epidemiological determinants in a GWLR model in Miyazaki *Kazuhiro YASUO, Hiroshi NISHIURA(Hokkaido Univ.)

[S07-3]
SFTSVを運び、増やす動物を探す *前田健(国立感染症研究所)
Key animals increasing and/or spreading SFTSV *Ken MAEDA(NIID)

[S07-4]
渡り鳥による鳥インフルエンザウイルスの国内侵入パターンについて *大沼学(国立環境研)
Introduction pattern of avian influenza virus by migratory birds into Japan *Manabu ONUMA(NIES)

[S07-5]
感染症対応の一環としての科学的な個体群管理のあり方 *鈴木正嗣(岐阜大学)
Science-based population control as the wildlife disease response *Masatsugu SUZUKI(Gifu Univ.)


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