| 要旨トップ | ESJ67 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第67回全国大会 (2020年3月、名古屋) 講演要旨 ESJ67 Abstract |
自由集会 W09 3月4日 18:45-20:15 Room E
動物に比して外来植物の侵入と拡散は圧倒的であり,河川や草原全体に外来植物が拡散した場合には保全管理が困難である。本自由集会では,外来植物がさまざまな植生にどのような定着プロセスで侵入,定着しているのか,その侵略性と多様性,さらには外来植物と動物の相互作用について議論する。話題提供の概要は以下の通りである(詳細は講演要旨)。
企画者:前迫ゆり(大阪産大),若松伸彦(横浜国大)
コメンテーター:鷲谷いづみ(中央大)
照葉樹林における外来種拡散とシカ (前迫ゆり)
シカの過密度生息地である春日山照葉樹林には,不嗜好植物のナンキンハゼ(国外外来種)とナギ(国内外来種)が拡散し,群落形成している。生態的特性のまったく異なる2種の外来種拡散とその侵略性について話題提供する。
河畔植生への外来種の侵入 (島野光司)
外来植物の草原生態系への影響と植生管理(大窪久美子)
本講演では草原生態系として、人為的な圧力下で成立してきた半自然草原や畦畔草地を中心に取り上げ、特に本州中部で代表的な草原景観を有する霧ヶ峰高原での外来植物の侵入、定着の変遷と植生管理における課題について話題提供する。
琵琶湖の定外来生物ウスゲオオバナミズキンバイの侵入・繁茂について(稗田真也)
琵琶湖に侵入した特定外来生物ウスゲオオバナミズキンバイは、水辺から岸にわたって適応・繁茂している。茎断片と葉による分散・再生が可能であるほか、水鳥の糞中に発芽可能な種子が含まれるため、分布地から離れていても侵入には注意が必要である。
近接して生育する外来植物が植食者を介して在来植物に与える影響(坂田ゆず)
外来植物が植食者を介して在来植物に与える影響について環境の異なる複数地点で調べた。外来植食者の侵入によって外来植物が在来植物に与える負の影響が強まることが示唆された。外来植物が在来植物に与える影響のパターンとメカニズムについて話題提供する。
[W09-1]
照葉樹林における外来種拡散とシカ
Diffusion of alien plant species in the lucidophyllus forest and sika deer
[W09-2]
河畔植生への外来種の侵入
Invasion of non-native species in riparian areas
[W09-3]
外来植物の草原生態系への影響と植生管理
Effects of invasive plant species on grassland ecosystem, and vegetation management
[W09-4]
琵琶湖における特定外来生物ウスゲオオバナミズキンバイの侵入・繁茂につ いて
Invasion and overgrowth of/Ludwigia grandiflora/ subsp. /hexapetala/ in Lake Biwa
[W09-5]
近接して生育する外来植物が植食者を介して在来植物に与える影響
Herbivore mediated effects of exotic plants on native plants