| 要旨トップ | ESJ68 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
シンポジウム S16 3月21日 9:00-12:00 Room C
日本において生物多様性地域戦略は、第三次生物多様性国家戦略の基本戦略の中で明記されている。また、生物多様性基本法において、地方自治体が生物多様性の保全および持続可能な利用に関する基本的な計画を策定することが努力義務となった。生物多様性地域戦略の策定は、地域の自然と社会の実情に応じて実効性ある政策を実施するために必要とされている(環境省 2014, 小田 ・ 大山 2018)。生物多様性地域戦略は2016年度末までに、41都道府県,84市区町村(政令指定都市17)の125自治体で策定された。
生物多様性条約のポスト2020年枠組の検討が進められており、次のCBD締約国会議第15回会合(CBD-COP15)で採択される予定である。日本では、これを受けた生物多様性国家戦略の改定に向けて議論が進められている。今後、新たな生物多様性国家戦略の下、自治体による生物多様性地域戦略の改定、あるいは新規策定が進むことが期待されている。
環境省環境研究総合推進費S-15「社会・生態システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価(PANCES)」では2017年に、当時既に地域戦略を策定していた基礎自治体を対象に生物多様性地域戦略の策定と実施に関するアンケート調査を実施した。また、全都道府県を対象とする同様のアンケート調査や、PANCESのモデルサイト(北海道、石川県、新潟県、沖縄県)における事例研究も実施した。この他、生物多様性地域戦略の策定、改定や実践に役立つ多くの知見がPANCESによる研究で得られている。
本シンポジウムでは、PANCESの一連の研究成果に基づいて、今後、生物多様性地域戦略の策定をより多くの自治体に広げていくため、さらに各自治体が生物多様性地域戦略の策定と実践をより効果的に進めるために何が重要なのかについて、議論を深め共有する。
コメンテーター:蔵本洋介氏(環境省)、深町加津枝氏(京都大学)、豊田光世氏(新潟大学)、吉田丈人氏(東京大学)
[S16-1]
「社会・生態システムの統合化による自然資本・生態系サービスの予測評価」の概要
Overview of Predicting and Assessing Natural Capital and Ecosystem Services.
[S16-2]
IPBESアセスメントから見た生物多様性地域戦略
Local Biodiversity Strategies and Action Plans in the context of IPBES assessments.
[S16-3]
より多くの自治体が生物多様性地域戦略を策定するために
Challenges and opportunities for local governments to develop and implement Local Biodiversity Strategies and Action Plans
[S16-4]
生物多様性地域戦略による地域レベルの科学-政策連携の推進
Role of LBSAPs to bridge local biodiversity knowledge and policies.
[S16-5]
生物多様性地域戦略における多様な主体の参加と伝統知・地域知の活用に向けて
Participation of diverse actors and usage of traditional and local knowledge in LBSAP of Japanese municipalities.