| 要旨トップ | ESJ69 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
シンポジウム S26 3月19日 13:00-16:00 Room C, 現地開催/ライブ配信あり/見逃し配信対応
近年さまざまな環境問題が人類共通の課題として差し迫っている。生態学は生物多様性・生態系の健全さ・生態系サービスを評価可能にし、サスティナブルな社会を実現するための重要な役割を担うことを期待されている。そのために、生物の分布情報などの膨大な基礎データの収集はかかせない。近年は、IoTやAIといったデジタルツールの発展や市民科学の浸透により、サンプリングの速度・規模共に向上している。生態系ビックデータを扱った研究は年々増加しており、環境問題の解決への大きなポテンシャルを秘めている。
しかし、膨大なデータを蓄積し解析するだけでは、サスティナブルな社会実現には至らないと考えられる。なぜなら、生態系に関わる課題は研究者だけのものではなく、広く社会が当事者であるからだ。持続可能な自然共生社会の実現は、蓄積されたデータを産官学それぞれの立場でいかに活用し、制度やサービスとして社会実装できるかにかかっている。しかし、取り組み事例は質・量ともにまだ十分とは言えず、環境保全が全プレイヤーの最良の選択となる仕組み作りが求められている。
そこで本シンポジウムでは、研究という視点に留まらず、政策やビジネスなどの観点から生態系のデータの利活用に取り組んでおられる方々をお招きし、実際の取り組み事例をご紹介していただく。また、生態系を社会のインフラとしてどのように活用していくのか、今後の展望についての意見交換も行いたい。本シンポジウムでの多角的な議論の中から、生態学と社会を繋ぐ新たな研究や取り組みが生まれることを期待したい。
企画発案者:西田貴明(京都産業大学)、長谷川啓一(EYSC)、久米昌彦・大庭義也(東邦レオ)、白土智子(福山コンサルティング)、藤木庄五郎・多賀洋輝・西田有佑(バイオーム)
コメンテーター:松本英昭(環境省生物多様性センター)、吉田丈人(地球研/東京大学)、西田貴明(京都産業大学)
[S26-1]
趣旨説明
Explanation of purpose
[S26-2]
生物多様性情報学の目指すもの
Move on the next step of biodiversity informatics
[S26-3]
自然共生社会の実現に向けたモバイル端末による生物多様性ビッグデータの収集と分析
Collection and analysis of big data on biodiversity using mobile devices for realization of a natural symbiotic society
[S26-4]
都市緑地におけるデータと市民の関係構築の実践
Practice of building relationships between data and citizens in urban green spaces
[S26-5]
茨城県守谷市におけるグリーンインフラ×スマートシティの取組み
Initiatives for green infrastructure×smart city in Moriya City, Ibaraki prefecture
[S26-6]
緑の基本計画に生物多様性情報を活用することの意義と課題
Significance and issues of using biodiversity information in parks and open space master plans
[S26-7]
生きものデータを活かして自然保護を社会の当たり前にするNGOの挑戦
The challenge for NGOs to make nature conservation part of society and the use of biodiversity data.