| 要旨トップ | ESJ70 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
シンポジウム S01 3月19日 13:00-16:00 Room A
次期の生物多様性国家戦略が2023年3月に閣議決定される予定である。自然共生社会の実現という長期目標の2050年ビジョンを達成するため、次期の短期目標の2030年ミッションが掲げられることになる。次期戦略の素案では、生態系の健全性の回復、自然を活用した社会課題の解決、生物多様性・自然資本によるリスク・機会を取り入れた経済(ネイチャーポジティブ経済)、生活・消費活動における生物多様性の価値の認識と行動(一人ひとりの行動変容)、生物多様性に係る取組を支える基盤整備と国際連携の推進が、5つの基本戦略となっており、現行の生物多様性国家戦略と比較して取組みの内容は格段に広がっている。一方、生物多様性と生態系を研究対象とする生態学も、自然環境や人為的影響だけでなく、社会経済や人々の暮らしを含めた社会-生態システム全体へと研究対象が広がりつつある。
生物多様性国家戦略が約十年ぶりに改訂されるこの機会に、生物多様性国家戦略から生態学に期待される学術的基盤や、生態学の研究と実践が生物多様性国家戦略に与える示唆などについて議論し、生物多様性国家戦略と生態学の関係について理解を深めたい、というのが本シンポジウムの目的である。講演では、次期の生物多様性国家戦略について環境省担当者から紹介したのち、いくつかの学術的な視点から次期戦略について議論する。その後、コメントを、生物多様性国家戦略小委員会委員長の中静透氏(森林研究・整備機構 理事長)と同委員の勢一智子氏(西南学院大学法学部 教授)からお聞きしたのち、総合議論を行いたい。
[S01-1]
次期生物多様性国家戦略の概要とネイチャーポジティブに向けた今後の取組
Outline of the renewed National Biodiversity Strategy and Action Plans and the way forward to Nature Positive
[S01-2]
生物多様性トレンドの回復に向けた生態学の課題
Challenges of ecological science for bending the biodiversity-trend curve to positive
[S01-3]
洪水のもたらす恵みと災いを考慮した流域管理
River basin management considering the benefits and damages of floods
[S01-4]
土地利用がもつ多様な機能の経営と生物多様性国家戦略
Managing the multifunctionality of land use in the context of the National Biodiversity Strategy and Action Plans
[S01-5]
農林水産政策と生物多様性国家戦略
Agriculture, forestry and fisheries policy and the National Biodiversity Strategy and Action Plans
[S01-6]
暮らしや文化と生物多様性国家戦略
The National Biodiversity Strategy and Action Plans through the linkage of local livelihoods and culture