日本生態学会

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第17回 生態学琵琶湖賞の実施について

菊沢喜八郎(琵琶湖賞運営委員長)

 生態学琵琶湖賞は、水環境に関連する生態学およびその周辺分野における50歳未満の優れた研究者に贈られる賞で、今回が第17回になります。第14回までを滋賀県が、第15回からは日本生態学会が受け継いで行っています。

 滋賀県が、国際的にも知名度の高いこの賞の継続実施を断念された理由、それを日本生態学会が主体となって実施することにした理由は第15回にあたっての文章にのべましたので繰り返しません。賞金がゼロの賞に応募し受賞したところで、会員にとってどんなメリットがあるのか?私は大いにあると思います。賞金は使ってしまえばおしまいですが、受賞者の名は永遠に残ります。

 前回は岩田久人氏と沖大幹氏のお二人が受賞者となられました。岩田氏の業績は化学物質による生態系の汚染や拡散といった、今日的意義の高いもの、特に除染と称して放射性物質を生態系に拡散している私たちにとっては傾聴すべき内容のものでした。また沖氏の業績は私たちが日常的に使う水について、その循環を全地球的規模から考察されているもので、これまた私たちにとってきわめて関わりが深く、日常的なものでありながら、普段は看過していることを思い知らされてくれる重要な研究であることに気づかされました。第17回もまた、いつものとおり、広く水にかかわる環境問題に取り組んでおられる50歳までの気鋭の研究者を対象として琵琶湖賞の応募者を募集します。

 前回までの経験で国内の応募者には立派な業績をもった方が数多くおられることが明らかになり、前回は甲乙つけがたいとして、沖、岩田両氏の受賞ということになりました。ただ残念なことは海外からの応募者や女性の応募者が少ないことです。賞金がないことから、旅費も出ないだろうと敬遠されているのかもしれませんが、旅費は出ます。自薦、他薦を問いません、奮ってご応募ください。来年7月、琵琶湖の日に合わせて、授賞式と記念講演会を行い、受賞者に講演をお願いする予定です。

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