| 要旨トップ | ESJ57 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
シンポジウム S07 -- 3月16日9:00-12:00 K会場
化石燃料の燃焼などによって発生した大気汚染物質が,発生源から輸送されていく間に光化学反応によって生じる二次汚染物質(O3,浮遊粒子状物質SPMなど)による広域大気汚染は地球レベルの環境問題となっている。日本を含む北半球における対流圏O3の濃度は年1〜2%の割合で上昇しており,近年の対流圏O3の濃度は樹木の成長を有意に低下させるレベルにまで上昇している。その一方で,大気CO2濃度も上昇しており,窒素負荷に代表されるローカルな大気汚染影響も大きい。O3ストレスによる森林の炭素吸収能力の減少や,汚染に弱い樹種から強い樹種への置き換わりが促進されている可能性が指摘されており,森林における様々な人為汚染物質の起源と動態,それに対する植物反応を同時に解析し評価していく必要がある。本シンポジウムでは,日本における広域大気汚染の実態と植物側の反応,そして生態系レベルの影響評価について,フィールドでの観測結果から,リスク評価までを含めた総合的な議論を行う。
[S07-1] なぜ,汚染源から離れた地域でO3濃度が上昇しているのか
[S07-2] オゾンによる樹木の光合成影響
[S07-3] 屋久島における広域大気汚染の影響
[S07-4] 立山における広域大気汚染とローカルな大気汚染の影響評価
[S07-5] 日本の森林樹種に対するオゾンと窒素負荷の複合影響に関する実験的研究
[S07-6] 日本の森林樹種に対するオゾン・窒素負荷のリスク評価
[S07-7] 大気-現場-実験を結びつけることの重要性