| 要旨トップ | ESJ57 企画集会 一覧 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


企画集会 T05 -- 3月16日17:30-19:30 F会場

三宅島2000年噴火後の生態系の回復過程―巨大噴火に対する陸上生態系の応答―

企画者: 上條隆志(筑波大・生命環境), 樋口広芳(東大・農学生命)

火山活動は陸上生態系に最も強いインパクトを与える自然攪乱の一つである。巨大噴火は生物をとりまく環境を激変させ、動植物の局所的な激減や絶滅を引き起こす。噴火後に、生物の再侵入・再定着を通じて生態系は回復してゆくが、その回復過程には生物間の相互作用や、生物と無機的環境との相互作用が関わってくる。このような噴火後の生態系の回復過程を追跡することは、巨大攪乱に対する陸上生態系の応答を総合的に理解する貴重な機会を与える。伊豆諸島三宅島は2000年に大噴火した。その規模は、数千年に一度といわれるほどのものである。噴火による陥没、火山灰の降下、火山ガスの噴出などの一連の噴火活動により島の陸上生態系は多大な影響を受け、山頂部から中腹部にかけては広大な無植生地も形成された。本企画集会では、噴火後の三宅島の生態系の回復過程、すなわち、噴火という巨大攪乱に対する生態系の長期的な応答を理解することを目指す。そのために、噴火後におこなわれてきた多様な生物群の種構成や豊富さの時間変化に関する研究事例を紹介するとともに、その変化のメカニズムについて議論したい。予定されている6題の講演後、総合討論(司会進行:樋口広芳(東大)、上條隆志(筑波大))とまとめ(上條)を行う。コメンテーターは可知直毅(首都大学東京)ほかを予定している。

[T05-1] 三宅島2000年噴火の概要について 樋口広芳(東大・農学生命)

[T05-2] 空から見た噴火影響と陸上生態系の回復 高橋俊守(宇都宮大・里山科学センター)

[T05-3] 三宅島火山噴火と土壌微生物生態系の応答 太田寛行(茨城大・農)

[T05-4] 植生遷移と火山灰堆積地における土壌の初期生成 *川越みなみ(朝日航洋),上條隆志,田村憲司(筑波大・生命環境)

[T05-5] 三宅島噴火による枯死木、腐朽木の増加と、それに伴う穿孔性甲虫、特にカミキリムシ相の変遷 槇原寛(森林総合研究所)

[T05-6] 三宅島2000年噴火後の鳥類の生息状況と保全上の問題点 *加藤和弘, 樋口広芳(東大・農学生命)


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