| 要旨トップ | ESJ66 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第66回全国大会 (2019年3月、神戸) 講演要旨 ESJ66 Abstract |
シンポジウム ME03 3月19日 9:30-12:30 Room A
環境DNA(環境中に遊離しているDNA断片)を用いた生物分布、種構成、遺伝的多様性の研究が近年急速に進展している。例えば、1Lの水を採水するだけで、ある水域での生物種の分布や生物量、魚類の種組成などを明らかにすることができ、革新的な生物調査技術として注目されてきている。この技術の実践により、生物群集調査や生物多様性の評価をより低コストで広範囲・高頻度で行うことができるようになり、生態学での調査を劇的に変革させる可能性がある。これら、環境DNAに用いる技術、DNA抽出やリアルタイムPCR, 超並列シークエンスなどは、もちろん分子生物学で培われてきた技術を応用している。一方で、これまで環境DNA研究において、分子生物学者との研究交流は限られていた。よって、本シンポジウムは分子生物学会員と共同で企画され、生態学会員と分子生物学会員との環境DNAを交えた研究交流の場を設ける。はじめに、これまでの海洋や陸水域で行われたCREST 、推進費における環境DNA研究の成果について紹介する(土居、源、宮)。それを受けて分子生物学の観点から、特にバイオインフォマティクスと1細胞RNASeqについて、分子生物学会員から紹介する(岩崎、尾崎、分子生物学会員)。最後に医療分野への応用として、感染症検出への環境DNAの活用について紹介する(Sato)。総合討論では、コメンテーター(近藤)を交えて、環境DNA研究の将来展望と、今後、どのように生態学者と分子生物学者が環境DNAに共にアプローチしていくかについて議論を進めたい。なお、本シンポジウムはJST-CREST(JPMJCR13A2)「環境DNA 分析に基づく魚類群集の定量モニタリングと生態系評価手法の開 発」・独)環境再生保全機構 環境研究総合推進費 4-1602「環境 DNA を用いた陸水生態系種構成と遺伝的多様性の包括的解明手法の 確立と実践」の成果公開として行われる。
コメンテーター: 近藤倫生(東北大・院・生命科学、CREST研究代表者)
[ME03-1]
環境DNAによる陸水生態系の生物種構成と遺伝的多様性の解析
Environmental DNA analysis for community and genetic diversity in freshwater ecosystems
[ME03-2]
種特異的な環境DNA分析を用いたマクロ生物の検出と定量への試み
Detection and quantification of macroorganisms using species-specific environmental DNA analysis
[ME03-3]
多地点・高頻度環境DNA観測に基づく魚類多様性モニタリングでわかったこと
What we learned from biweekly biodiversity monitoring based on fish eDNA metabarcoding from multiple sites
[ME03-4]
環境DNA研究のバイオインフォマティクス
Bioinformatics for environmental DNA studies
[ME03-5]
シングルセルRNAシーケンス解析から考える環境DNA研究の展望
Future perspectives on environmental DNA research from single-cell RNA sequencing analyses
[ME03-6]
A glimpse into the usefulness of eDNA approaches in eco-health