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企画集会 T03
現代の生態学において、環境変動や生物群集の変化を知るための長期野外研究は、大きなトピックのひとつとなっている。特に、生物多様性の維持などのきわめて重要な保全生態学的課題に取り組むための基盤として、身近な自然環境における近年の大きな変化を記述することの必要性は広く認識されるようになり、「モニタリングサイト1000」など大規模なプロジェクトが始まるに至っている。
これまで全国各地の博物館は、地域に根ざした研究機関として、身近な自然の調査を継続的に実施してきた。博物館のモニタリング調査の特徴として、地域住民と協働して活動を展開していること、調査結果を展示や講座等の啓発活動、ひいては生態学的観点に立った地域づくりにも展開させていることが挙げられる。これらのことから博物館は今後も地域の自然環境のモニタリングにおいて重要な役割を担っていくものと考えられる。
しかし、現在行われているこうしたモニタリング活動の多くは、成果の総合的あるいは学問的な活用という点においては、いまだ不十分な状況にあると言わざるを得ない。
この集会では、各地の博物館によるモニタリングや観察事例の積み重ねが明らかにしてきた知見を見つめ直し、その意義と生態学的利用の可能性について検討したい。その上で、博物館と地域住民による調査の成果を、より広く活用するために必要な手法や観点、さらに博物館活動の一環としてのモニタリングの意味や、今後の展開について考えてみたい。
コメンテータ:中静 透(東北大生命科学)
[T03-1] 趣旨説明:たくさんの眼による地域モニタリング
[T03-2] モニタリングは誰がする?−八幡湿原自然再生事業からの回答−
[T03-3] 馬堀自然教育園における身近な自然の保全活動I 二次林の変遷と市民による森林育成の試み
[T03-4] 馬堀自然教育園における身近な自然の保全活動II ホタルの養殖実験から河川環境の再生とビオトープ作りへ
[T03-5] 希少生物のモニタリング〜続けてきたからみえてきたもの