| 要旨トップ | ESJ61 企画集会 一覧 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


企画集会 T03 -- 3月15日 18:00-20:00 C会場

隠れた相互作用が明らかにする送粉生態学研究

企画者: 末次健司 (京大・院・人環), 中瀬悠太 (京大・院・人環)

およそ9割の被子植物は、動物に花蜜や花粉などの報酬を与える代わりに、花粉の運搬を託す送粉共生系を結んでいる。そのため、花の機能には、動物にうまく花粉を運んでもらう仕組みが秘められている。そのため、植物がどのような送粉様式を持ち、送粉者といかに関わりあってきたかということは古来から人々の関心を集めてきた。

さらに現在では、送粉者のシフトを引き起こした遺伝基盤の解明といった最新の分子生物学的手法を駆使した研究や、ネットワークの構造や生態系サービスの定量化といった大規模データを用いた研究まで行われている。その一方で、個々の種類に関する基礎的なデータの積み上げも、未だ十分ではないのが現状である。本集会では特に、これまで見過ごされがちであった視点、先入観をもたないで観察する必要性 (山路)、送粉に関係してくる第三者の存在 (石井、中瀬、末次)、人間の目では観察できない細かいスケールでの送粉者の行動 (坂本) を加え、花と昆虫との関係の実態に迫った5人による講演を予定している。また講演をもとに、観察ベースで面白い送粉生態の研究を行うためにはどのような視点や戦略が必要なのか議論したい。

We will prepare English booklets (or pamphlets) at this session for non-Japanese speakers.

[T03-1] 従属栄養性に制約された寄生植物の送粉様式: 送粉者をおびき寄せる第三者の存在  *末次健司, 加藤真 (京大・院・人環)

[T03-2] 小バチは開花前からやってくる ~先入観を捨てた観察の重要性~  *山路風太, 朝川毅守 (千葉大院・理・生物)

[T03-3] ネジレバネに操作された宿主ハナバチの訪花行動  *中瀬悠太, 加藤真 (京大・院・人環)

[T03-4] マルハナバチ女王に感染するマルハナバチタマセンチュウによる宿主操作が、間接効果を通じて非宿主である働きバチの採餌行動に与える影響  *石井博, 角屋絵理 (富山大・理)

[T03-5] 感覚の拡張によって観察される相互作用:ハイスピードカメラ撮影で示 されたクサギにおける訪花と送粉の差  *坂本亮太 (滋賀県立八幡高等学校)


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