| 要旨トップ | ESJ64 企画集会 一覧 | 日本生態学会第64回全国大会 (2017年3月、東京) 講演要旨
ESJ64 Abstract


企画集会 T10  3月18日 9:30-11:30 D会場

Multi-isoscapes:多元素同位体、多元素分析がひらく生態学

陀安一郎(総合地球環境学研究所)

 炭素・窒素同位体比を用いる食物網解析は、遺伝子解析とともに分子解析手法として標準的な解析手段となってきた。一方、生物は微量元素を含め多くの元素でできており、その元素パターンや重元素も含めた多元素の同位体比を分析することで、より解像度の高い同位体生態学指標とすることができる。特に、その同位体比について地理的な分布が明らかになると、そのデータを用いて生物地球化学的な解析や、生物の移動パターンの解析を行うことができる。同位体の地理的分布は、Isotope+Landscapeの造語でIsoscapeと言われるが、多元素のIsoscapeを重ねて「Multi-isoscapes」とすることで、より解像度の高い解析ができると考えられる。総合地球環境学研究所(地球研)では、これらの発想のもと「同位体環境学」共同研究事業を推進している。
 本企画集会では、本テーマに関連する研究例を集め、今後「Multi-isoscapes」として研究をどのように発展させるべきかを議論したい。
 コメンテーターには、柴田英昭氏(北海道大学北方生物圏フィ-ルド科学センタ-)にお願いしている。

[T10-1] 多元素同位体、多元素分析アプローチについて 陀安一郎(総合地球環境学研究所)

[T10-2] 多元素同位体マップ:原理と事例 中野孝教(早稲田大学創造理工学部)

[T10-3] 森林の窒素循環に大気沈着が与える影響の解明:重金属のMulti-isoscapeを利用して 浦川梨恵子(アジア大気汚染研究センター)

[T10-4] コケ植物のSrおよびPb同位体比から、大気降下物の起源を推定する試み 太田民久(総合地球環境学研究所)

[T10-5] 海棲生物の追跡指標としてのNd同位体比の可能性:海水バリエーションと固着性生物へのその反映 齋藤有(総合地球環境学研究所)

[T10-6] 様々な元素を用いた動物の移動追跡 東信行(弘前大学農学生命科学部)

[T10-7] 魚類・哺乳類の骨の分析から、軽元素同位体比の「履歴」を復元する 松林順(総合地球環境学研究所)


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