| 要旨トップ | ESJ68 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
シンポジウム S04 3月17日 9:00-12:00 Room D
生態系は安定性・平衡性を有する一方で、噴火、津波、山火事などの巨大攪乱による破壊とその後の回復という動的かつ非平衡的な側面も有する。“巨大攪乱による破壊後、生態系はどのように回復するのか”、を明らかにすることは、生態系の本質的理解を深めると共に、生態系修復や生態系管理に関する基礎知見としても有効となる。しかし、“どのように回復するのか”、という問いに対して、実験やシミュレーションだけでは答えきれない。すなわち、巨大攪乱後の生態系を実際に長期モニタリングすることが必要不可欠となる。本シンポジウム対象地の三宅島は2000年夏に大噴火した。島の生態系は多大な影響を受け、森林の約60%にあたる2,500haが強く破壊された。本シンポジウム講演者は、噴火直後から生態系の被害状況と回復について、モニタリングを行い、巨大攪乱後の回復過程に関する研究成果を得てきた。シンポジウムでは、2020年で噴火から20年となった三宅島の生態系の回復過程について、生物多様性、生態系機能、景観などの面から話題提供をして頂き、噴火という巨大攪乱後の生態系の回復過程と生態系修復への応用について総合討論を行う。
1)衛星画像解析から見た三宅島の植生回復 高橋俊守(宇都宮大)
2)三宅島2000年噴火後20年間の植生回復過程 上條隆志(筑波大)
3)鳥類群集の回復と現状 加藤和弘(放送大), 樋口博芳(慶応大), 高橋俊守(宇都宮大)
4)2000年噴火火山灰堆積地の土壌生成過程 田村憲司, 浅野真希(筑波大)
5)2000年噴火火山灰中の微生物群集の構造と動態変化 太田寛之, 西澤智康(茨城大)
6)噴火後の生態系機能の回復 廣田充(筑波大)
7)三宅島から学ぶ噴火荒廃地の緑化技術 小川泰浩(森林総研)
[S04-1]
衛星画像解析から見た三宅島の植生回復
Vegetation recovery of Miyake-jima Island using satellite image
[S04-2]
三宅島2000年噴火後20年間の植生回復過程
Vegetation recovery for 20 years after the 2000 year eruption of Miyake-jima Island
[S04-3]
鳥類群集の回復と現状
Recovery and current status of bird community
[S04-4]
2000年噴火火山灰堆積地の土壌生成
Soil formation process the 2000 year volcanic ash deposits
[S04-5]
2000年噴火火山灰中の微生物群集の構造と動態変化
Change of structure and dynamics of microbe community in the 2000 year volcanic ash
[S04-6]
噴火後の生態系機能の回復
Recovery of ecosystem function after the eruption
[S04-7]
三宅島から学ぶ噴火荒廃地の緑化技術
Revegetation technics on devastated site, lesson from Miyake-jima Island